ロースハム

温燻の代表格、ロースハム製造の記録です。
燻製作りの醍醐味を充分に楽しむことができます。
食感、香り、味、市販のロースハムでは得られない美味しさを味わうことができます。
このハムを食べた方からは必ずリクエストがきますが、残念ながら余暇を利用した趣味の範疇で頻繁に作るだけの
体力とお金がありません。

2004年11月の記録

 プライベートな飲み仲間とボジョレーヌーボを楽しむために作成した記録です。
 同時進行でスモークサーモンも作成しました。

素材の調達
鮮度に気をつけることは言うまでもありません。懇意にしているお肉の卸売りから調達です。
ロース肉にもロース(背)と肩ロースがありますが、ロースのブロック使用。このお肉は 「かみふらの地養豚」ブロック2本で約10kg。お肉は新鮮で、立てても折れ曲がりません。お値段もそこそこ。
素材の整形
余分な脂肪をそぎ落とし、あばら骨の窪みが浅くなるように(デコボコが少なくなるように)します。
塩漬けのための容器(お魚の箱-秋刀魚を輸送する祭に使用する発砲スチロールの箱)に合わせ、一本を3つにカットしました。一個当たり、1.2〜1.5sです。
ソミュール液作り
水        :4000cc
塩(赤穂の天塩)  :400g
三温糖        :150g
スパイス
 ブラックペパー  :20g
 ナツメグ      :3g
 オレガノ      :2g
 セージ       :2g
発色材(亜硝酸ナトリウム) :1.2グラム
酸化防止材(ビタミンC)   :8グラム
ビタミンC以外を鍋に入れて煮沸し、味と香りを馴染ませます。
ビタミンCは冷めてから添加します。
塩漬け
上記で作成したソミュール液に漬け込みます。更に風味を付けるため玉ねぎを輪切りにしたものを一緒に漬け込みました。
この製造過程では10日間の付け込みです。
 「留意事項」
  ・生のお肉ですので、温度管理に気をつけましょう。
   これは家庭用大型冷蔵庫にきっちり収まる発砲スチロール
   に入れて冷蔵しました。
  ・漬けこみが均等になるよう、毎日お肉を入れ替えます。
水洗いと塩抜き
塩漬け完了後、表面に付着した玉ねぎ、スパイスを洗い落とします。更に流水で塩抜きですが、ソミュール法によっているので、短時間で結構です。

糸巻き

左記のようにネットで覆ったうえで、糸を巻くと容易です。
乾燥

一晩ほど乾燥させます。
この作業は地下の車庫です。
燻煙

燻煙は冷燻、温薫いずれも可です。温薫の場合、温度は60℃以下とします。
これは冷燻です。3夜連続で燻しました。


一回目
 チップ:白樺、くるみを同量
 温度 :最高18℃
 燻煙時間:1.5時間
二回目
 同上
三回目
 同上
スモーカーの中でチップから煙が
燻煙が完了した状態。良い色に仕上がってます。
ボイル
最後の作業のボイルです。この作業は最も神経を使います。
大きな鍋に水を張り、ゆっくりとボイルします。ボイルの温度は70℃を超えないようにします。
ハムの中心部が65℃に達し、10分程度ボイルすればOKです。肉の中心部の温度上昇は時間がかかりますので、根気のいる作業です。一時も目を離すことができません。
そのため、温度計は2本使用(水温測定用、肉温測定用)します。燻煙は冷燻、温薫いずれも可です。温薫の場合、温度は60℃以下とします。
作業は一回あたり2時間弱を要します。今回は6本のボイルで約4時間要しました。
「留意事項」
 ボイル温度を厳守のこと。高温になるとボソボソの不味いハムになります。
完成

ボイル後は冷水で冷やします。
これで完成です。
断面です

とても美味しいハムの完成です。
これは如何なる市販のハムよりも美味しいですよ。