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お手軽な「かれい」の燻製レシピ(記録)です。
かれいの乾物はよく見かけますが、かれいの燻製は近年見かけることが少なくなりました。

かれいが安価に入手できる時期に気軽に作ってみました。
これは、2004.06の燻製記録です。

 素材について

春から初夏にかけて、又は秋に、「かれい」は産卵のため岸よりします。安価で美味しいカレイが入手できるのもこの時期です。
お手軽に入手可能なカレイのウンチクを一言(独断と偏見を交え紹介します)

かれいの種類              一    言
真ガレイ かれいの代表格、煮ても焼いても旨い、35cm以上は刺身でも最高。
宗八ガレイ 生臭いが、干して食べると旨い。干し魚の代表格(北海道ではホッケの開きと双璧)。
砂ガレイ 煮ても焼いても今一で人気薄。小売店では一山単位で売買。から揚げは旨い。
黒ガレイ
(黒頭)
身が厚く、煮魚向き。刺身も旨い。刺身で食べたい魚。
川ガレイ 旨くない。煮ても焼いても水っぽくてダメ。釣りの楽しみのみ。
生きている状態で血抜き(活〆)をすると刺身はOK。但し、調理時に身に血が付かぬよう注意
石持ちガレイ 大型のかれいで、釣り人の憧れ。一枚で刺身10人分は取れる。刺身のみか、旨い。
大昔、7枚を釣り上げたことがある。他の釣り人から顰蹙。
ナメタガレイ
(ババガレイ)
名前は悪いが、大型で煮て旨い。干しても良し。
タカノハ 幻のカレイとなる。最近見かけない。
平目 刺身魚の代表格。目が反対、石狩、厚田の自然ものは旨い
素材の調達
石狩漁港(東埠頭)の朝市で買い付け(2004.6)。
色々な、お魚の入った箱ごと購入しました。
魚は、海から上ったからといって、新鮮とは限りません。網にかかり、呼吸ができなく絶命していれば鮮度は落ちています。
釣り魚はこの限りでありません。
(お魚の説明)
一寸、燻製から脱線しますがご勘弁を。箱の中のお魚を紹介します。
@ 上方4匹 黒ゾイ(メバル科)
少々小ぶりです。
そいは真ゾイ、黒ゾイ、縞ゾイが良く知られています。その他、仲間にはガヤ(蝦夷メバル)。
人気は上記の順でしょう。刺身、煮物共に旨い魚です。高級魚。
このお魚は、燻製にはしません。2匹を刺身、2匹を煮魚として、夕食の食卓へ。
A 下方の6匹 ホッケ
小さいながらも、下から2匹目は縞ボッケ。
大き目の2匹は煮魚用(夕食)、小さめのホッケは、開きボッケとして加工(背開きにして干すだけ)
ほっけは回遊魚で、群れをなして回遊しているが、泳ぐのを止めて永住したのを根ボッケと言う。
根(多分昆布等の根)の周りに居座って、動かず、タップリと肥えたのが根ボッケ、これが最高。
次は、下から2匹目の縞ボッケが旨い。煮ても干しても良し。
スリムでスマートなホッケは食べて今一、開いて干して食べるのみ、大半はすり身となる。
B 左側 ナガヅカ(がんじ、ガジ、田植えガジとも言う) 
市販されてはいないと思う(お店で見たことはない)
北海道では、田植えの時期に稀に釣れることがある。田植えガジの由来。
朝市で、オヤッこれは?と問いかけるとおばちゃんが「ナガヅカ」と言う。「がんじ」かと答えると不思議そうな顔をして知ってるの?、知ってますよ、高級蒲鉾の魚だよ。但し、子は猛毒。
高価な蒲鉾はこの魚を使用している。乾物にしても旨い。全長62cm。燻製にしてみよう。でも量産は不可能、入手困難。今回のみか。
C 中上:鯛
D 中下:八角
一昔前は雑魚、今は高級魚、刺身、焼き魚として重宝される。関西方面からの引き合いが多い。
E 右:砂ガレイ
砂ガレイは人気薄の魚、私もお店から購入することはない。かれいを釣りに行って、持ち帰った時に、から揚げにして食べる程度。今回はこの人気薄なかれいを燻製にしてみよう。
 
F 真ガレイ
春の沿岸に到来する真ガレイは、身が厚く、淡白ながらも味わい深く、大変美味しいカレイです。
煮付けて良し・一夜干しで焼いて良し・さっとフライに良しで様々な料理で楽しめます。
真ガレイと砂ガレイの見分け方
左:真ガレイ
身が優しくふっくらとしている。共に口は小さめ。
右:砂ガレイ
真ガレイより身が薄い、頭の骨がごつごつしている。縁側から尾にかけて縁が黄色。 
下ごしらえ
@鱗を取り、頭を切り、腸を抜く。
A背骨付近の血合いを取り、綺麗に洗浄。
B尾は残す(吊り下げる際に尾があると容易)
Cソミュール液が浸透しやすいように、表裏に2〜3箇所に切り込みをいれる。
ナガズカを三枚に下ろしたところ 
  

魚を捌く時の留意事項
@手早くすること(鮮度が落ちる)
A洗浄以外は水に付けないこと(旨みが逃げる) 
塩漬け
@ソミュール法(塩分:5%程度:勘で海水よりしょっぱい程度)
 スパイス:ブラックペパーがベース、臭い消しにオレガノ、
       香り付けにセージ、カルダモン、ナツメグを少々
A時間:8時間程度
B塩抜きは不要です。表面に付着したスパイスを洗い流す程度。
風乾(乾燥)
表面が乾く程度に乾燥させます(2〜3日)
生ものですので、鮮度が損なわれない温度管理が必要です。外気温が高い場合は冷蔵庫内とします。屋外の場合、蝿、猫から守るため魚を乾燥させる時に使用する網に入れるとよいでしょう。
燻煙
@一回目 
  気温が高い(6月6日午前10時で22℃)ので、スモークウッドを使用。
  ウッドはなら、その下にいたやのおが屑をしく。
  燻煙時間:3時間
A二回目
  クルミのチップにならをブレンド
  燻煙時間:1時間
 チップの特性は「チップについて」をご参照ください。
風乾(乾燥)
燻煙後に風乾します。乾燥の程度はお好みです。
固めに仕上げるため、表面が少し固くなるまで乾燥させます。
車庫内で風乾しているところ。

蝿がいる時期は網に入れて乾燥させます。
完成
かれいの燻製が完成です。
食べる時の難点は、皮を剥ぐのに手間がかかることです。
お酒のおつまみに手ごろでした。


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